ぽんのこつ

青年海外協力隊ソロモン看護師隊員の備忘録です。

カスタムメディシン

ソロモンにはカスタムメディシン、ホームメディシンなどと呼ばれる民間療法が結構一般的です。

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マーケットで子供が生まれるようになる飲み薬を$40(600円)で売るおじさん。10分くらい色々説明してくれて、購入を勧められたけど、ソロモンにいる間に子供ができちゃうのは非常にまずいので丁重にお断りしました。

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生活習慣病クリニックに来た患者さんが見せてくれた糖尿病に効くというお花。週に一回煎じて飲むんだとか。花の色がピンクよりも白のものの方が効くそうです。

わたしのカウンターパートの看護師は生活習慣病の専門看護師ですが、糖尿病のカスタムメディシンは効き目があるって行ってました。本当…?

ソロモンでは怪我や病気になったりしても、特に病院から離れている所に住んでいる場合、数週間、数ヶ月何もせずに寝て過ごして、いよいよひどくなってから病院にくるということが珍しくありません。
その理由の1つには病院にくるのに何時間もトラックやボートに乗らなくてはいけない交通事情があります。
わたしの活動しているマキラウラワ州は、島の中に病院が1つ、あとは30ヶ所程看護師だけが駐在する小さな診療所やただ医薬品の置いてある救護所が点在しています。診療所の看護師はたった1人でその地域のお年寄り〜子供まで診て、そして時には出産介助まで行っていたりして本当にすごいのですが、診療所や救護所であっても医薬品が十分にあるわけではなく、看護師1人でできることは知識的にも技術的にも限られていて、やっぱり医療は不足します。そもそも診療所はあっても看護師が不在で閉鎖されてるところもあるようです。
だからカスタムメディシンが大切にされているのも分かるし、本当に効いてるのかもしれないし、病は気からというからそういった拠り所は必要だと思います。実際、糖尿病患者さんが病院の薬を飲まずにカスタムメディシンと食事療法と運動療法で血糖値のコントロールができるんだとしたらそれが1番です。

ソロモンは医療費がタダです。もし手術や検査のためにトラックやボートでくる必要がある場合はその手配や準備も病院が行います。だから、金銭面を理由に医療を受けられない人はいません。とてもいいことです。でも、だからなのか、病院に来たときに必要のない薬まで欲しがる人が多い印象です。
わたしが困っているのは高齢者に膝が痛いから、アモキシリン(ソロモンでメジャーな広範囲に効く抗生剤)をちょうだいとしょっちゅう言われること。最近は、腫れも赤みも熱感もないあなたの膝が痛いのは感染による炎症なんかじゃなくて、その体重と運動不足のせいだから、まず一緒にストレッチしましょって言って抗生剤の処方は断っていますが。具合が悪くて病院に行くと、なんでもかんでも解熱鎮痛剤とアモキシリンを出してとりあえず様子をみるように言う医療者側に1番問題があるのですが、とにかく抗生剤の適正使用がされてなさすぎて怖い…。

カスタムメディシンと抗生剤が、ちょっと試してみようかな、って同じノリで使われるソロモンで、疾病予防や適切な早期治療に対する意識を持ってもらうことが課題だなと感じています。医療者にも地域住民にも。


ブログの更新をずいぶんとさぼっていた間、活動がとびきり忙しかったわけでもなんでもないのですが、2年間の活動計画はぼちぼち出来上がりました。ソロモンの中でもとくにのんびりしたマキラにいつの間にやらすっかり適合してしまっているわたしですが、ソロモンの健康増進のお手伝いができるよう、サボらず頑張ります。