David家とサボ島遠足
ソロモンに派遣されて任地に配属される前、ピジン語研修の一環である5日間のホームステイでとてもお世話になったDavid家。
3ヶ月毎にソロモンにボランティアが来るたびホームステイを受け入れてくれています。
1月の総会のタイミングで、David家ステイ歴代ボランティア総勢5人で遊びに行ってきました。
長女クララのお誕生日だったので、みんなでドミでガトーショコラを焼いて持っていき、お祝い。
翌朝、おにぎりをたくさん作って今回の訪問のメインイベントであるサボ島へ。David家からボートで1時間弱。
サボ島には火山があって、地熱でキャッサバも蒸せます。
暖かい川で泥遊び。
奥地にあるという温泉にはたどり着けなかったけど、イルカもたくさん見れて大満足。
何よりめったに集まることのできない地方女子隊員でのおしゃべりが止まらない楽しい休日でした。
集合写真(チェキ)を持つDavid。
分かりづらいけど、喜んでます。
ソロモンでのわたしの父。ありがとう。
村での末期がん患者訪問と自宅出産
あけましておめでとうございます。
新年そうそう、なんかタイトルからごちゃごちゃしてますが。
ちょっと血のついた写真とかが出てくるので苦手な人は気をつけてください。
年明け初出勤は、具合の悪い患者がいるからと自宅訪問を依頼されて、NCDクリニックの2人(カウンターパートとわたし)で病院から車で10分弱の村へ行きました。患者さんは多分、肝臓がんの末期で、腹水による腹部緊満感と倦怠感と黄疸と皮膚の掻痒感…
キラキラ病院じゃ肝機能検査も生検もガンの確定診断もできないし、腹水穿刺もできないし、なんなら肝庇護薬すらない…と思う。前にキラキラ病院の薬局で肝臓の薬は何が置いてあるのかって聞いたときはないって言われたので。
もしかしたらこのごちゃごちゃした薬剤部のどこかにはあるかもしれないけど、薬剤師が把握してないくらいだから、たとえあってもきっと使用期限が切れてる。ウルソとかリーバクトとかアミノレバンってソロモンにあるんだろうか。
結局バイタルチェックと食事のアドバイスと肝性脳症への注意とあとで清拭用のハッカ油お裾分けしてあげるねって約束して引き上げてきました。なーんにもできないなー。
で、帰ろうとしたら別のお宅から子供が産まれそうだよーって呼ばれる。えー。
でとりあえず行ってみたら、これ。
地面に産み落とされた新生児。
出産が終わって疲労困憊の産婦。
オロオロする家族。
苦笑いのカウンターパート。おい。
ウォーターメディシンと呼ばれる陣痛促進作用のあるカスタムメディシン(民間療法の薬草)を使ったらしいです。恐るべし。
村でよく使われているこのウォーターメディシンが曲者で、BBA(Birth Before Arrive:病院にたどり着く前に出産)の主な原因だとか子宮口が6cmなのを看護師が確認した5分後に出産したとかいう話を聞きます。
とりあえず地面に放置された赤ちゃんともちろん繋がったままの胎盤を布で包んでわたしが抱っこして、産婦さんも車に乗せて一緒に病院へ。
ナース服は血まみれになったけど、無事に産科病棟に受け渡し。
地面に産み落とされてから1番最初に日本人に抱っこされた赤ん坊なんてソロモンでは初めてじゃないか!?記念にその日本人の名前貰おうぜ!
と、よく分かんない記念で家族が勝手に盛り上がってたそうですが、赤ちゃんは男の子だったので普通のソロモンの名前をつけられてました。よかったね。
Aorigi出張 その2
久しく更新していなかったら、父から催促がきました。
90歳を過ぎた祖母も父がプリントアウトした記事を読むのを楽しみにしているそうで。
大したこと書いてないけど、おばあちゃんの活力になるなら頑張るよー。
さて、もうずいぶん前のことで忘れかけていますが、9月のアオリギ出張の続き。
ワークショップを行った週の日曜日が聖Michealさんのお誕生日だったそうで、その週は村中ずっとお祭りモード。火曜日のオープニングセレモニーに招待され、その日のワークショップは全部なしに。2時間ほどのセレモニーが、なぜか1日の予定にすり替わってしまう、ソロモン。看護師たちはパレードに参加、わたしはなぜかofficial guestとしてステージの上でパレードを鑑賞。
で、夜は連日ダンスやらお芝居やら村中の人が出し物。わたしも一つのコミュニティに混ぜてもらって花飾りを頭につけて踊りました。練習はほぼなしで、本番中に隣のおばちゃんにいろいろ指導を受けながら、なんとなく踊りきりました。久しぶりにビートルナッツを食べて酔っぱらったり、毎晩すごい盛り上がりでとても楽しかったのですが、2時過ぎまで楽しんでワークショップ中に眠てしまう看護師たち…いいんですけどね。
アオリギは海の幸が豊富で、ヤシガニや伊勢海老や魚が食べ放題。ここではお金を持っている人はオーストラリアから輸入した手羽先を食べ、お金のない人は海に潜って伊勢海老をとって食べます。うーん、贅沢。
こんなに立派なキハダマグロがたったの$100(1500円)!でも大きすぎるので買わないで記念撮影だけ。
お土産に、と2匹もココラコ(鶏)を貰って、すっかり堪能して帰宅しました。
まるまる太らせてから食べようと思ってたのに、そうそうに近所の犬に1匹仕留められてしまい泣く泣く捌くことに。お隣さんに手伝ってもらっておいしく食べたので、それはまた別の機会に書きたいと思います。
残るもう1匹は犬対策のためしばらくお風呂場で飼育していたのですが、また出張に行くことになり病院のスタッフにお願いしてゲージを作ってもらい、お隣さんに餌やりを頼みました。
でも出張から帰ってきたら、夜中に鶏が盗まれて、ゲージは海に捨てられていたよとお隣さんからの報告。悲しいけど、まあ誰かのお腹が満たされたのならいいでしょう。
Aorigi出張 その1
だいぶご無沙汰していました。
9/22〜29までサンタカタリーナ島のアオリギというところにワークショップのため出張へ行きました。
サンタカタリーナ島はマキラ州の南東に位置する小さな島で、スピアファイティングという槍を投げ合う伝統的な戦闘が有名なんだとか。現在では観光用として毎年5月頃にイベントが開かれていて、来年は観に行ってみようかと思っています。
今回のワークショップは病院主催ではなくNGO団体のWorld Visionから地域のヘルスワーカー(クリニックの看護師やVillage Health Volunteer)を対象にNCDに関するワークショップを開催してほしいという依頼を受け、カウンターパートと2人で参加してきました。
わたしもカウンターパートも2人してギリギリにならないと頑張れないタイプで出発間近になってひーひー言いながらプレゼンを準備。
土曜日のお昼頃キラキラを出発し、1番速いエンジンを載せたOBMで2時間半程でアオリギに到着。前回の出張と同じイメージで、携帯圏外、掘っ建て小屋に雑魚寝、シャワーは川、トイレは海かなーと思っていたら、観光客の来るアオリギには電波がたまに繋がるロッジなるものがあり、鍵付き1人部屋に寝泊まりできました。鍵といっても内側に付いてる釘を回して固定?するだけなので、外に出る間は開けっ放しになるんですけど。ロッジにはレインタンクのシャワー(という名のバケツに水溜めるタイプのやつ)と水洗トイレもあって、感動的でした。もちろん便座はないし、3日目くらいからパイプが壊れて水洗じゃなくなりましたが。
ワークショップは月曜日からなので、日曜日はお休み。移動するの今日でよかったんじゃ…と一瞬思いましたが、日曜は安息日だし、ボート移動だから天気の不安もあるし、ここはソロモンだから、いいんです。ロッジの料理係のおばちゃんにのんびり村を案内してもらいながら甘いことで有名なアオリギのココナッツを3つ飲み干しました。おいしい。
で、いよいよ月曜日からワークショップがスタート。予定開始時間から30分遅れの安定したソロモンタイム。
内容はNCDの概要とソロモンの現状、糖尿病や高血圧症のマネジメント、患者教育、コミュニティへの啓発等について。わたしは糖尿病患者へのフットケア、生活習慣病予防のための運動習慣、栄養、参加者を対象とした健康診断の実施と結果についてのプレゼンを担当しました。
なんか文章にすると仕事した感が出てますが、ピジン語でのプレゼンはまだまだ難しく、カウンターパートや他の看護師に助けてもらいながらどうにかこうにか終了…。患者さんと一対一で話すのはいいのですが、複数の医療者を前に喋るのってやっぱり緊張するし苦手です。
わたしたちNCDのパートは月〜水の3日間の予定で、木〜金はキラキラ病院の薬剤師が来て別のワークショップを行う予定だったのですが、火曜日から天気が怪しくなり、水曜日にサイクロンが発生、木曜日にマキラを直撃、海大荒れでボートがキラキラを出れず…結局丸々5日間NCDがワークショップをすることになりました。といっても木曜日の午後はサイクロンがすごすぎてワークショップどころじゃありませんでしたが。バナナの木が倒れ、ココナッツが落ち、ワークショップ会場(ただの木の小屋)の屋根も吹き飛ぶんじゃないかと思いました。
もちろん他のプレゼンの準備なんてしていませんでしたが、ちょうどその週の土曜日、9月29日がWorld Heart Dayという情報が保健省から入り、急遽ポスターを作って、RHD(リウマチ性心疾患)に関するプレゼンを追加で行ったりして、なんとか乗り切りました。アドリブの上手なカウンターパートでよかったよかった。
それとその週はちょうどコミュニティの教会のイベントがあり、そのイベントにも参加しました。
なんだかやたら長くなってきたので、続きます…。
引っ越し
引っ越ししました。
1人用の家を改築するからそっちに引っ越しするように州のお偉いさん方に言われてからはや3ヶ月。やっと改修工事が終わり、家の鍵をもらい、家中の床と家具を丸洗い。
収納たっぷりキッチン。タイルが全部剥がれててコンクリートむき出しだったので、ビニールのカーペットを敷きました。
工事をしてくれた大工さんたちからは「俺たちの仕事はコンプリートだぜ!」って自信満々に言われましたが、行ってみたら便器に便座が付いていませんでした。発注してもらったらきっとまたあと数ヶ月掛かるだろうなって思って、自分で首都で便座を138SBD(2000円くらい)で買って、病院のスタッフに頼んで付けてもらいました。便座を買うなんて生まれて初めて。ソロモンでは空港のトイレでも便座が付いていないことがあって、みんながどうやって用を足してるのか未だによく分かりません。
冷蔵庫とガスコンロも新居用に新しいのを手配してくれたらしいのですが、到着を1ヶ月半くらい待ってたのですが一向にこないので、結局前の家から運び出し。
なんやかんやと大変な引っ越し作業もいろんな人の協力で無事終わり、海まで徒歩15秒の素敵な新居での生活をスタートしました。テラスから見える夕陽がとってもきれいです。
松尾も元気です。気がつくと我が物顔でソファに座ってます。
ガーデニング
元州知事宅で目立つ我が家。
その広い庭に生い茂る雑草。
エンターテイメントのないキラキラ。
ありあまる時間。
草むしりが趣味の隣人。
ガーデニングを始めました。
雑草を抜き取り、海岸と家を何往復もして運んだ白い小石や砂を敷き詰め、
大きな石をならべ、
草むしり。
花の種を蒔き、
バナナの木を植え、
レモンの木を植え、
草むしり。
スリッパリーキャベツを植え、
チャイニーズキャベツを植え、
草むしり。
長ネギを植え、
トマトを植え、
草むしり。
4月の中旬から始めて、
小型ナイフ片手に一心不乱に週5ペースで草むしりをして、
土曜日の朝起きてカーテンを開けたら隣人一家が総出で草むしりをしてくれていて慌てて参加して、
雨が降ると根っこまでしっかり抜きやすくなるからと隣人に呼び出されて雨の中草むしりをして、
隣人が2週間首都に出張に行っているあいだも「元気か?草むしりしてるか?」という確認の電話をもらって、
そんなこんなでやっとこ素敵なお庭に。
スリッパリーキャベツが豊作で、毎日庭から採っては炒めたりスープにしたり美味しく食べています。
そして念願のトマト第1号も。
だいぶ庭が整ってきて、草むしりのためのナイフ捌きもだいぶ板についてきたところで、引っ越しが決まりました。というかもう引っ越し終わりました。
今まで住んでいた家は、ちょっと改修工事をしたあと、今月配属になった新隊員さんが住む予定になっています。
新居でまた庭作りがんばります。
飛行機事情
ソロモンは島々からなる国なので、移動には飛行機が欠かせません。
首都ホニアラから任地キラキラまでは飛行機で30分、小さなプロペラ機だと1時間程度で片道$1300(¥20000弱)です。お高め。
便数は週4〜5便、ホニアラからきて、キラキラで給油して、またすぐホニアラに戻るという流れです。たまに他の島を経由したりします。
ちなみに移動手段には船もありますが、週1便、27時間、雑魚寝で$350(¥5000くらい)で日本人女性が1人で乗れる感じじゃないとか。他の島にいく船によってはちゃんと個室があって、快適に過ごせるものもあるようですが。キラキラにくる船はとても汚いそうです、残念。
キラキラの空港のチェックインカウンターがこちら。預け入れの荷物の重量を測った後、機内持ち込みの荷物を持って体重測定します。で、まわりに座ってる人に大声で値を読み上げられます。プライバシーも何もあったもんじゃありません。わたしじゃなくてカバンが重いのよっていうのが常套句です。
滑走路がこちら。原っぱ。
大雨が降るとすぐ飛行機が離着陸できなくなる原っぱ。荷物の積み降ろし作業も積極的に乗客がお手伝い。
昨日ホニアラ上がる予定だったのですが、大きな飛行機が2日前に故障したために小さいプロペラ機が到着、雨も降り出し原っぱはややぬかるみ、いざ飛行機に乗り込もうとタラップの前に集まった乗客を前に、人数と荷物の総重量オーバーを懸念したパイロットが空港のスタッフに乗客を3人減らせと要求、「みんなの安全のためにフライトを延期してくれるボランティアを募集します」とスタッフがアナウンス、JOCVとしてボランティア精神を発揮して、おとなしく家に帰宅。
で、今日無事に振替え便でホニアラに来ました。
20人乗りのプロペラ機でしたがガラガラ。自由席なので、先頭に座って操縦席を見学していました。
今回のホニアラ上京の目的は保健省で行われるNATIONAL NCD TRAINING PROGRAMに参加するため。各州のNCDコーディネーターが集まって1週間ワークショップが行われます。わたしもカウンターパートと一緒にマキラ州のNCD対策についてプレゼンをします。プレゼン自体はカウンターパートが行なう予定で、わたしは今年実施した健康診断やスクリーニング検査の結果をまとめてせっせとグラフを作り、カウンターパートにデータを渡しましたが、まだ準備が終わってないようです。発表明日なのに。